top of page

会長挨拶

Akira-Kawamura_up-300x249.jpg

2021年8月21日

​会長 川村 明

 ロシア連邦は、海峡を隔てて接する世界最大の大陸国、日本にとって地政学上計り知れない重要性のある隣国である。ところが、その政治や軍事力についての議論は極めて盛んだが、その議論の基盤となるべき社会科学的分野の研究、例えば比較法制度研究は等閑にふされている。

 ロシアと言えば戦車と大砲を連想し、六法全書や法廷が思い浮かばない。

 我々の知る限り、日本にはロシア法学会というものがなく、近年までどこの大学にもロシア法専門講座というものもなかった。これはアメリカ法や中国法の研究が隆盛を極め、それぞれ巨大な学界を擁していることを考えると、これは甚だしい片手落ちだと言わなければならない。

 そのロシアで、2011年以降毎年、「サンクトぺテルブルグ国際法律フォーラム」という国際会議が連邦法務省の肝いりで盛大に開催されるようになり、このフォーラムの議長で元連邦法務省副大臣でもあったエレナ・ボリセンコ女史の直接の呼びかけで、2017年、日ロの法律家団体である日ロ法律家協会(Russia Japan Lawyers Council)が設立された。当ロシア法研究会は、この日ロ法律家協会を後ろ盾に、日本での比較法制の研究活動をしてきたが、かなりの実績を積んできたので、ゆくゆくは日本のロシア法学会の設立母体にもなりたいという野心を隠し持っているところである。 ロシア法研究会、未だ小なりといえど、日ロ関係の発展に比較法という理知的な切り口で迫ろうというその志を多としたい。

(ロシア法研究会会長、日露法律家協会共同議長)

©2021 ロシア法研究会

bottom of page